
「マッサージで肋骨を痛めてしまった」という話は、整体業界では決して珍しいものではありません。
もちろん、外科手術や内科の診断など、医療の現場全体を見ても、トラブルを100%防ぐことは現実的には難しいものです。年齢や体質、骨の強さは人それぞれ異なり、どの分野であっても一定のリスクは存在します。
ただ、体に強い刺激を加える施術に関しては、リスクが高まりやすい傾向があるのも事実です。
特に肋骨まわりは、過度な圧が加わりやすい部位です。日常的に強い刺激のマッサージを受けていると、その感覚に慣れてしまい、「もっと強くしてほしい」と要求がエスカレートすることがあります。しかし、刺激に慣れることと、体が安全であることは別問題です。感覚が鈍くなっている分、無理がかかっていることに気づきにくくなります。
その結果、背中や肋骨に過度な力が加わり、思わぬトラブルにつながるケースも見られます。中には、筋力トレーニングや運動負荷が重なって起こる場合もあります。
マッサージ後のだるさや痛み、いわゆる揉み返しについても、本来はできるだけ少ない方が望ましいものです。ただし、体の反応には個人差があり、刺激を加える以上、多少の反応が出る可能性を完全にゼロにすることはできません。
だからこそ、効果が乏しい施術を強い刺激のまま続けることは、見直す必要があります。
肩こりひとつ取っても、その原因はさまざまです。姿勢のアンバランス、筋肉同士の働きの偏り、筋膜の影響などが関係していることも少なくありません。また、場合によっては内科的な要因が関与していることもあります。
そのため、原因を十分に確認せず、いきなり強い刺激を加える方法は、必ずしも適切とは言えません。比較的やさしい刺激を中心とした施術の方が、体への負担が少ない場合も多くあります。一方で、体重をかけて強く押し続ける施術は、慎重に行う必要があります。
当院でも、ご希望があれば刺激を強めることはありますが、基本的には体の反応を確認しながら、やさしい刺激を中心に行います。確認を行わずに強い刺激を加えることは、想像以上にリスクを伴う場合があるためです。


